アトピーを緩和する家とは?無垢材や天然素材でシックハウスと無縁の家づくり
くつろぐための場所である家で、大切な家族の体調が悪くなってしまったらどう思いますか。
今回は化学物質を大量に含む合板を使用して作られた家の危険性と、アトピーなどのアレルギーの関係性について、そしてアトピーを緩和する家づくりについて解説いたします。
夢を詰め込み、じっくり選んだ家で安らぐことができないといった悲しいことが起きないように、この記事が役立てば幸いです。
1.アトピー・アレルギーとは
アトピーというと、ひと昔前は子どもの頃に発症し、大人になると自然に完治するというイメージがありましたが、現在は大人になってからでも発症することがわかっています。
アトピーは、アトピー素因を持つ人には誰でも発症のリスクがあり、日本アトピー協会によると日本人の30%がアトピー素因を持っていると述べられています。
アトピー素因を持っていると、アトピー皮膚炎でなくてもアレルギー性鼻炎や気管支喘息、結膜炎などのアレルギー症状を起こすと考えられており、日本人にとって身近な疾患です。
2.シックハウス症候群とは
シックハウス症候群とは、近年の気密性の高い住宅において、人体に有害な物質が家の中にとどまることによる健康被害のことです。
シックハウス症候群になると、目がちかちかしたり、のどの痛みを感じたりと体の各所に不調が起こります。
シックハウスに住むことで、アトピーやアレルギーが悪化したという話はだれしも聞いたことがあるのではないでしょうか。
現在の家づくりでは、建材に合板を使用することがほとんどです。合板は木を薄くスライスしたものを何枚も重ね、接着剤で固めて作られるため、安価で安定した供給が可能だからです。
このようにして作られた合板が家の建材として使われ、大量に使用されている接着剤から出る有機溶剤、ホルムアルデヒドなどの物質が揮発し、気密性が高い家の中で漂うことで、それを吸った人が体調不良になるのです。
本来家は家族が集まって団らんし、リラックスする場所です。一方、家選びを一歩間違えれば、家は過ごしづらい空間となってしまう危険性があるのです。
3.シックハウスの対策
シックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドは、2003年に改正建築基準法が施行され、規制されています。
この結果、シックハウス症候群の相談は徐々に減ってきていると厚生労働省は発表していますが、完全になくなったわけではありません。
自分たちの新しい家が住みにくくならないように、施工会社と建材についてしっかりと相談することが、シックハウスの対策には大切です。
4.アトピーの人には天然素材の家がおすすめ
新築の家では多くの人がシックハウス症候群になってしまうのでしょうか。
前述のとおり、日本人の30%はアトピー素因を持つため、安価な建材を使用した価格重視の家だとその可能性も高いでしょう。
一方でアトピーやアレルギーを発症してしまうリスクを減らすことは可能です。天然素材で建てられた家に住むと、シックハウス症候群の心配が少ないことが分かっています。無垢材などの天然素材をふんだんに使用するとその分、接着剤の多い合板の使用を減らすことができるからです。
天然素材の利点
天然素材はアトピーなどのアレルギー症状を緩和する家づくりに有効とすでに申し上げました。
素材によってはホルムアルデヒドなどの有害物質や、においを吸収する天然素材もございます。
さらに、質感がよいことも利点としてあげられます。 湿度を調整する機能もあり、結露やカビの発生を防ぐことが可能です。また、本物が与えてくれる安心感は、化学素材のそれとは比べ物にならないでしょう。
天然素材の欠点
無垢材や天然素材を使用した家をつくるときの欠点はどういったものでしょうか。
天然素材のため、お手入れが大変、季節によって伸び縮みがある、といった点もあげられますが、最たるものはその価格でしょう。天然素材は総じて合板よりも高いものが多いです。
このため、体に優しい天然素材だけで家を作ろうとすると、合板だけを使った場合に比べて価格は高くなってしまいます。しかし、全てを天然素材にする必要はありません。
たとえば人が集まるリビングや子供部屋、寝室などをメインに利用するといったことも可能です。自分たちが安心して暮らせる家づくりには、信頼できる施工会社に相談することが大切です。
心ゆくまで何度も話し合って、満足のいく家づくりをしましょう。
5.まとめ
アトピーなどアレルギーとシックハウスの関係、その対策について解説いたしました。アトピーを緩和するには、合板などの化学素材をできるだけ排除し、無垢材や天然素材を使った家づくりが大切です。
ゆったりとリラックスして大切な家族と過ごす空間であるはずの家が、シックハウスとなり、集まりにくい家になってしまわないように、家の素材についてもう一度考えてみるのはいかがでしょうか。